ならまちに暮らす
~土蔵・古民家よみがえり~
近年 観光的にも注目のならまちの町並みの中にある民家。
ご当主一家は市内の便利な場所に住み、生まれ育ったこの家には母堂が最後までお住まいだったとか。
亡母が生前、リノベーションを施工者に断られたこともあり、初めご当主の頭には取り壊すことしかありませんでした。
見せて頂くと、驚くような違法増築と張りぼてのリフォームに塞がれているものの、元々の建築は、手の込んだ書院作りあり、土蔵あり、の上品で良質な住まいなことが判明。
リノベーションして、快適で居心地の良い住まいにした方が、コストパフォーマンスも課税上も有利有効だと、積極的にお勧めしたのは、私の方ですが、よくご理解、賛同頂きました。
土蔵の曳家や、2階を載せたままの1階構造体への補強などの大胆な提案も、設計意図を読み取った施工者の技量に助けられ、無事に終了。
「残して直してよかった」という住まい手さんの言葉が何よりのご褒美になりました。
しばらくは法事用と考えられていたようですが、居心地の良さに、最近、遠方に暮らす妻の実母を引取って、通い見守りを始めたとか。
古民家改修設計で、最も嬉しい後日談となりました。